不安が大きな時こそ挑戦しよう
企業も個人も、どうしても回避できないリスクがあります。
それが、大規模災害やパンデミックなどの外部環境のリスクです。想定外の事態が起こり、国家・世界的レベルで不況になった場合等は、その影響はどの企業も個人も受けることになります。
このような時、企業や個人はどのように行動すればよいのでしょうか、考察してみたいと思います。
まずやるべきこと
予期せぬ重大な事態の発生当初は、情報が錯そうしますし、対処方法も分かりません。
このような場合、まずは、その時点での情報を整理することと、対応手順と決定者を明確にする必要があります。
※企業におけるBCP(事業継続計画)において、必ず、予期できない事態発生時の対応手順を決めておきましょう。
次に、企業にしろ、個人にしろ、まず、「生き残る」、「ダメージを最小化する」ということの二点を重視して意思決定する必要があります。
このような時に、よくありがちなのが、短期的なダメージを恐れて思い切った対策を打てないことがあります。
人間には正常化バイアスといって事態を過小評価してしまう傾向があります。
事態を過小評価して、もっともらしい理由をつけたり、短期的なダメージを恐れて、意味のない対策をしていて、後で取り返しのつかないことになりかねません。
事態発生当初は、情報が錯そうする状況ですが、行政や政府発表、世間の情報を鵜呑みにしてはいけません。必ず、本質的な部分を考察して各自がワーストケースに備えるべきでしょう。
企業であれば従業員や利害関係者、各個人は、自分や家族を守るために自分で考えて行動しましょう。
次にやること
どのような予期せぬ事態であっても、時間が経ては、状況は次第に明確化されてきます。
状況が明確化されるに併せて、当初想定したワーストケースを見直していかなければなりません。
大きな外部環境リスクにより世界的不況になっても、個別の市場や業種でみると、実は需要が増しているということもあります。
特に建設業界というのは、国民の生活や安全、経済を維持するインフラに関わる仕事であり、世の中が混乱している時こそ、活動が必要とされる業種です。
ところが、社会全体の心理が反映されて、消極的、悲観的な行動をとってしまいがちになります。
状況が明確化されてきたら、リスクに対して適切な対応をとりつつ、企業、個人が自分たちの本業を通じて社会に貢献できることに邁進すべきだと思います。
新しいことに挑戦するチャンス
不安におびえつつ、嵐が過ぎ去るのを待つという状況は、精神的、経済的にも厳しい状況になりますが、こういう時こそ、新しいことに挑戦するチャンスでもあります。
そのような状況の中で、挑戦をすべきことは、時代の大きな流れから、将来必ず必要になってくること、将来の利益になる投資的活動を行うべきです。
企業経営においては、新型コロナパンデミックにより、経済活動が止まってしまうためテレワーク等が強く求められております。
また、今後の世界は、新たなパンデミックを常に警戒して暮らす社会になるでしょう。
そのため、社会的距離の確保と経済活動が両立できるようにする社会を作る動きが間違いなく強まります。
また、個人レベルで行政に頼らず安全を確保する動きが高まると思います。
その結果、人材の流動性も高まってくるでしょう。
建設コンサルタント企業は、如何に優秀な人材を揃えるかで、経営の成功の可否が決まります。
今後、優秀な人材を確保し、企業を成長、存続するために、そうした社会の変化に対応していくしかありません。
働き方の多様化、在宅勤務(テレワーク)、あるいは複業(ダブルワーク)といった新しい働き方への対応は、以前からも社会的に求めらていたことで、いずれやらなければならないことなのです。
こうした変化への対応は、一朝一夕にできるものではありません。そのベースとなる職務設計や、組織構造、コミュニケーション手段、成果測定、人事、雇用、報酬のシステムなど多岐に渡るでしょう。
従来のやり方を変えることに対する組織内の反発は大きなものがありますが、こういう時こそ、こうした部分に手を付けていくべきでしょう。
各個人も、いずれは、働き方の多様化、人材の流動性の高い社会構造への対応を迫られます。
エンジニアは成果報酬的な働き方が当たり前になります。
そうした社会に対応するため、自分の価値・能力を磨くこと、自主勉強や資格の取得、あるいは体を鍛えるといった自己投資や新たな挑戦を着実に行っていくべきです。
また、企業における新たな取り組には、積極的に参加し、組織の変革に貢献しましょう。
決して、変革を妨害したり、挑戦している人の足を引っ張るようなことはしないようにしましょう。
おわりに
将来的には、通勤、お付き合い残業、無駄な会議など価値を生まない時間や仕事が大幅に削減され、どこでも仕事ができて、自由度の高い生活が可能になると思います。
現状は社会不安を大きい状況ですが、将来は、より明るいものと確信しています。
各自、安全確保には気を付けつつも、明るい未来のために、行動しましょう。
ご参考になれば幸いです。
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