転職に関する先輩・上司の助言はあてにならない理由

転職において、先輩や上司その他、友人などに相談する人も多いと思います。
正直な話、こうした助言は、あてにならないどころか、害になる場合もあります。
ここで、どうしてあてにならないのか、解説していきます。

その1:あなたを過小評価している

 大抵の場合、自分で考えているより、周りの人はあなたを過小評価しています。
 謙虚な人でも、内心は自己評価は誰でも高いものです。(それが健全です!)
 もし、転職等のあらたなチャレンジを計画していることを、先輩等に相談した場合、8割以上は「無理だよ」「失敗するぞ」「後悔すると思うよ」などの否定的な助言が返ってくるはずです。

その2.あなたへの対抗心

 誰もが、自分の後輩や部下に地位や収入が追い抜かれたら面白くないと思います。
 もし、あなたが転職等により、明るい将来の可能性が広がっているとします。
 そのことを、先輩等が自覚していたとしていたら、現状の上下関係、ヒエラルキーを捨てて飛躍しようとすることが面白くないでしょう。
 そこで、一生懸命、否定的な助言や、相手を不安にすることを吹き込んでくるケースが多いでしょう。

その3:先輩や上司としての会社での立場

 有能な社員が一人、突然会社を辞めると、会社には大きな損害(正確には将来の利益の可能性が失われる)が発生します。
 当然、所属部署の上司などの評価は下がり、責められます。
 同僚には、業務面でしわ寄せもきます。
 そのため、必死になって転職を止めようとします。

 では、所属部署の違う仲の良い同僚の助言だったら信頼できると考える人もいると思います。
 社内の組織には、公式組織(表向きの組織)と非公式組織があります。非公式組織というのは、社員同士の個人的なつながり、仲がよいグループや派閥になりますが、大抵の会社において、この非公式組織が大きな力を持っています。
 別部署の信頼している仲の良い先輩や同僚にとって、あなたが退社すれば社内での非公式組織のパワーが落ちます。
 よって、たとえ別部署で一見利害関係が無くても、必死になって止めてくる場合もあります。

 また、転職をするときは、いつか社内広まりますが、辞めることを知っていて黙っていたということを、後で会社に知られた場合、相談を受けた先輩や上司が会社から責められる可能性があります。
 よって、「転職相談されたけど、私は引き留めました」という保身的なスタンスをとることは、その後の組織に残る身としては仕方がないと思います。

その4:情報を持っていない

 先輩や上司で建設コンサルタント業界での転職について、ほとんど情報を持っていません。しかし、本人は知っているつもりで助言している人が多いのです。それも失敗例が目立つので、そういう話が多いと思います。
 情報がない思い込みでの助言に価値があるでしょうか?

以上のような理由であてにならないことは、ご理解いただけたと思います。

 どうしてこのようなことを書くかと言うと、個人的な体験に基づいているからです。
私はこれまで、自分でリスクを取って転職や独立など行動しており、事前に誰かに相談してことはありません。
しかし、決断後の事後報告であっても一生懸命、意味のない助言をしてくる人が多数おりました。
例えば、最初の会社の退職時、次を決めずに空白期間をとりマネジメントの勉強をしようと思っていましたが、「職歴に空白があるとどこも雇ってくれない」「今よりよい会社には絶対に就職できない」、「技術士は持っていても意味ない」、「どこの会社に行っても同じことだ」等の助言です。

 しかし、二年の空白期間後、建設絶不況の当時でも大手コンサルタントに中途採用が決まりました。以前の助言はなんだったのでしょうか?

 そして、大手コンサルに転職が決まったと報告すると、実に面白くなさそうな感じで、こんどは「大手は激務で超大変だ」「競争が激しいから君では務まらない」等の不安になるようなことを吹き込んできます。
今度は、独立する時は、「絶対に失敗する」「後悔するぞ」「君には商売は向いていない」等の否定的な助言です。大体、否定9割、肯定1割くらいだったと思います。
 相談していない事後報告でもこれです。
 事前に相談でもしていようものなら、その助言を振り切っての転職は相当なパワーが必要になります。

自分で振り返って、もしあの時に、諸先輩の助言に従っていたら後悔の多い人生だったと思うのです。
みなさんは、自分の人生は自分で決めてください。