転職引き留め交渉で会社に残ると碌なことはない(建設コンサルタントの転職)

  私が建設コンサルタントの技術者でまだ景気の良かった頃は、辞めると言い出した人をみんなで説得して、思いとどまらせたりしていました。
しかし、一度は思いとどまらせたとしても、結局、体調を崩したりして数年以内にほとんどが辞めていきました。

 その時は、社員みんなでよってたかって引き留めたことで、その人の人生を数年も犠牲にして、さらに体調も崩してしまっていたことになります。罪なことをしていたと感じています。
なぜ、結局辞めるかというと、辞表を出す人というのは、その会社に居るのが限界になっているのです。
そこで、引き留めたとしても、辞めたい理由が解消されるわけでもないため、結局辞めていくことになります。

 また、大抵、残留する場合、待遇改善や転属等の不満解消のための処遇を受けます。
そこで、社内で「あいつは本当を辞める気がないくせに、条件交渉のために言っているんだ」とか「あいつだけ特別扱いされてずるい」というような、陰口を言われるようになります。

 残った人は無理やり引き留められた上に、本意ではない陰口を言われて、さらに居心地が悪くなってしまいます。
そこで数年も人生を犠牲にした上に、心身をすり減らして辞めることが多くなります。

 無責任な発言かもしれませんが、「辞めたい時が辞め時」です。
ブラックと言われる業界ですが、せっかく、何度でも転職できる、つぶしが利くというメリットもあるのですから、生かした方が後悔しないと思います。
建設コンサルタント業界、一度転職してしまえば、案外なんともないものです。

 会社も辞めると言い出した人を無理に引き留めない方が、本人のためにも会社経営にも結局よいのです。「去る者は追わず」です。

 また、一度辞表を出したら必ず辞めることが大事です。優柔不断は結局損をしてしまいます。

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