「うちは中小企業なので、これしか出せません!」って逆でしょ!

当社は、建設コンサルタント業界特化した人材紹介業を行っており、大手企業から中小零細企業に至る全国の建設コンサルタント会社とも幅広く取引をしています。

(こちらの記事も参考にどうぞ。「大手建設コンサルタントの40代、50代の中途採用が増えてきた件」)

中小企業の建設コンサルタント会社の経営陣の話していて、たまにあることなのですが、「経験・実績豊富な技術士(50代以下)、年収500~600万」などと求人を出してきます。

 現役世代の技術士は、現在、各社取り合い状況で地方の中小企業であっても年収800万以上を出す会社もありますし、700万以上になるケースも普通です。

 ところが、現在の技術士の転職市場の状況をご説明しても、受け入れてくれない会社があります。
「うちは中小企業なのでこれしか出せません!」とか「給与規定がそうなっている」などの理由で、聞き入れてくれません。

 過去に、「俺は昔、大手の○○コンサルに居た。当時部長の年収でも750万くらいだったのでそんなに相場が高いはずがない」と断固認めない経営者がいました。
いくら、同地域の過去の紹介実績の年収等を示して説明しても、認めてくれません。
「紹介料を吊り上げるために俺をだまそうとしている」と考えているようです。
確かに人材紹介業者はろくでもない所も多いですが、当社は建設コンサルタント出身の人材紹介業として、真摯に対応しているのですが、悪徳業者だと思われてしまうケースがあります。

 その場合、「ご紹介者の入社の可能性は、あまりありません」と伝えると、しぶしぶ700万以上の年収を認めたりします。
ところが、実際に人材を紹介してみると、求職者ご本人に「そんなに相場は高いはずがない、紹介料欲しさに、業者が嘘を言っている」、「だから、年収600万でよろしく」などと、値切ってきます。どっちが悪徳なのかよくわかりません。

 どうしても技術士を雇いたい理由が、「社内の技術士が転職してしまった」だったりします。そうなると、分野の唯一の技術士のため、その会社は今後入札にも参加できなくなります。そのような状況なのに、「前任の技術士と同等の金額以上は出せない」と主張します。だって前任の技術士は処遇に不満だから辞めたんでしょう。理解に苦しみます。

 みなさん、ご自身が求職者だったら、以下のどちらの就職先を選びますか
・大手企業 年収600万
・中小企業 年収600万

 ほとんどの人は、収入が同じなら大手を選ぶでしょう。収入以外の要素、ステータス、福利厚生、安定性、技術レベル(キャリアを積める可能性)どれをとっても大手コンサルの方が上に感じるでしょう。
そのため中小企業こそ、現役レベルの技術士やRCCMを採用しようと思ったら、大手コンサルより高い年収を提示すべきなのです。
「うちは中小企業なのでこれしか出せません」ではなくて「うちは中小企業ですが、こんなに出します」という会社でないと有能な人材は獲得できません。

 別に、良い悪いという話をしている訳ではありません。そうしないと将来、会社が生き残っていけない可能性が高いという話です。

 現実に、積極的に人材投資を行い、現役の技術士を獲得し、伸ばしている会社もあれば、どんどん高齢化してじり貧の会社もあります。
じり貧になった会社からは有能な若手は逃げてしまいます。

 現在は、建設コンサルタント業界全体がどんどん高齢化しています。さらに定年年齢が65歳、70歳と引き上げられれば、中高年の転職者が減少し、中高年の転職市場においても、ますます年収相場が上がっていくと思われます。
今後、人材確保できない会社の廃業が増えていくと思います。
仕事はあるのに、やる人がいない、という理由で廃業することは悲しいことです。

 積極的な人材投資への発想の切り替えが必要です。

こちらの記事も参考にどうぞ。「建設コンサルタント従事者は今後激減していく」(弊社別サイトへ移ります)

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