「技術士」は人生の保険になるか?

 私の友人が、某大手建設コンサルタントに勤務しているのですが、その友人と飲んでいる時に、「技術士は人生の保険になるよな~?」と聞いてきました。

 その友人が、社内の同僚達と、「技術士は人生の保険になるか」について議論になったというのです。
同僚は全員、新卒入社のプロパーだったということですが、その同僚達は「技術士は人生の保険にならない」、「技術士を持っていても意味はない」と主張して曲げないというのです。
その話を聞いて、私が最初の会社を、次を決めずに辞めた時を思い出しました。
最初の会社を辞めた後、とりあえず、しばらく無職でのんびりしながら勉強をしようと思っていたのです。

 当時34歳で、10年以上の実務経験もあり、既に技術士(建設部門)を持っていたので、自分としては、「人生の保険」を持っていると考えていました。建設大不況の真っただ中でしたが、大丈夫だと思っていました。

 ところが、年配の先輩社員で、「技術士なんて持っていても何の意味もない」、「今以上の会社に転職できる可能性はゼロ」、「職歴に空白を空けたらどこも雇わない」と強硬に主張する人達がいました。
こちらは自分でリスクを負って動く覚悟があるし、既に決めたことで、助言を求めてもいないのに、飲みに行くと、一生懸命、不安になることを吹き込んでくるのです。
そうした中には、40代~50代で転職経験のある人もいて、彼らがあまりに自信満々に「技術士は持っていても意味ない!」と語るのです。私も当時は業界の転職事情知らなかったので半信半疑でした。
結局、相手にせず、無職で勉強生活に入っちゃうんですが(笑)

 その後も飲み会で会うたびに、「まだ就職していないのか」、「取り返しのつかないことになるぞ!」と不安を煽るのです。こちらが経営マネジメントの勉強をしているといっても、「そんなもの何の意味もない」、「若い奴はひたすら仕事をしていればいいんだよ」とまるで取り付く島もありません。

 その後、格好悪い話ですが、二年以上の無職勉強生活で、マネジメント知識の証として狙っていた「中小企業診断士」には合格できませんでしたし、36歳、独身、無職と、さすがにまずい状況になってきました。当時は、「転職は35歳が限界」なんて一般的には言われていました。

(こちらの記事も参考にどうぞ「建設コンサルタントの転職年齢について」)

 そこで、就職活動を始めたのですが、マネジメント部門のある会社に絞って就職活動をしました。
そして、無事、大手の建設コンサルタントのマネジメント部門で採用が決まりました。
マネジメントの知識の証明になるものは何もありませんでしたが、信じていただけました。これは「技術士」を持っていたことが大きいと思います。

 当時マネジメント部門がある会社は、大手企業しかなかったのですが、マネジメント部門で不採用になった企業でも、私の専門である「道路部門」でなら採用しますという会社も多かったですし、先輩に誘われて飲みに行ったら、なぜか大手コンサルの道路部部長がいて、熱心に誘われたりしました。
当時、建設大不況真っ盛りで、2年の無職でも「技術士」と「実務能力」があれば、よい求人はたくさんありました。

 「技術士なんて持っていても何の意味もない」、「今以上の会社に転職できる可能性はゼロ」、「職歴に空白を空けたらどこも雇わない」、みたいなことを自信満々に語っていた先輩方の話は、とりあえず嘘ばっかりでした。
「友人や先輩の助言ほどあてにならないものはない」と痛感しました。
彼らが、知りもしないのに、新たな挑戦をしようとしている人に、なぜ、否定的な情報を断言して吹き込んでくるのか、その心理の方が興味深いものがあります。

 結論として、「技術士」と「実務能力」この二つを持てば、最強の「人生で保険」になります。
日本全国どこでも、生きていけます。
好条件での転職も、独立も、公務員だってなれます。
転職であれば、当社では70代の常勤採用を決めたこともあります。

 何かリスクを負って挑戦する時に、「人生の保険」があることは、とても心強いことだと思いませんか?
私の場合も技術士という保険を持っていたからこそ、不安に駆られることなく、無職でマネジメントの勉強生活をしたり、40才近くになって、独立して経営コンサルタントを始めたり、いろいろ挑戦できたと思っています。
これは、大変な利点です。

 私と同時期に、経営コンサルタント(中小企業診断士)として独立した人で、どれだけ不安に駆られて挫折してしまう人が多かったか、「人生の保険」の無い人にはじっくりと取り組むことは難しいです。
技術士という保険をもって、新しいことに挑戦している人は、他にもたくさんいますし、私も支援もしています。

 「技術士なんか意味がない」「技術士は人生の保険にならない」という人は、二種類あります一つは、技術士を持っていない人で、「酸っぱい葡萄」といわれる行動で、自分が持っていないがために価値を認めたくない人です。実際、技術士を持っていない人ほど、価値を認めません。
二つ目は、転職経験がない人、転職経験があっても知人に誘われて転職した人です。自分でリスクを負って挑戦したり、転職時に資格を活用したこともなく、外の世界を知らない人ですが、本人は自覚がありません。
特に中堅以上の会社では、技術士であることが普通ですので、その価値を気づきにくいと思います。

 上記の二つは、建設コンサルタントに勤務している人は、周りにたくさんいると思いますが、彼らの「技術士は持っていても意味ない」等の否定論は、信用しない方がよいです。

 「人生の保険」をもっている人は、それを活用しないともったいないです。
いろいろ挑戦してみるとよいと思います。
当社(私)にお気軽にご相談ください。

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