ブラック企業との噂に悩む建設コンサルタント会社

 当社の求人企業の中に、よい実務経験を積みたい人向けの中堅クラスの企業があります。
その会社は、受注先としては国交省メインでプロポ受注の比率が高く、業務経験としては最高レベルのものが積める会社ではあります。

 求職者のキャリア相談に乗っていて、より大きな業務、大手クラスの業務に挑戦したい人に、ご紹介候補として挙げたりするのですが、「あそこはブラックだから」といって敬遠されることがあります。
情報源を聞くと、「大学の先輩が激務でその会社を辞めた」という話や、「パワハラがひどいと聞いた」というような話が多かったのです。

その会社は、一人当たりの売上も多いので、他の大手同等の労働環境で残業も少なくありませんが、年収レベルも高く、業務経験を積める点、無理な転勤や職務等の強制もないので、悪い会社ではないです。

私が知っている、本当のブラックな建設コンサルタント会社に比べれば、ずっとましだったりしますが、人材獲得に苦労しています。
会社側もブラック情報が出回っていることに悩まされていたりします。
案外本当のブラック企業には悪いうわさが少なかったりします。

悪い噂の立ってしまう建設コンサルタント会社には二つのパターンがあります。

一つ目は、建設大不況時代に、大きな人員削減を行った会社で、それが強制的なリストラなのか、自然減なのかにより分かれますが、いずれにしても、極端な外注費削減、内製化を図り、激務化した上に、残業、賞与ゼロ、収入も激減するという苦難な時代を経験しています。
そして、人がどんどん辞めるような状況に置かれると、人間関係も悪くなります。
無理に辞めさせられた人が会社に恨みを持つのは当然ですが、自主退社の人であっても今度は、裏切り者扱いやいろいろ嫌がらせを受けたりすることも多いのです。
例えば、建設不況の時代、500人→300人に減少した会社は200人が悪い印象をもっている可能性もあります。そして、どこかで悪い噂が立ってしまうようです。

 もう一つの悪い噂が立ってしまう要因は、パワハラで、会社の中の特定のパワハラ幹部や管理職等により悪い噂が立ってしまうケースです。

建設コンサルタント業界は、パワハラ的な人は少ない方です。個人的に経営コンサル等をしていろいろな業界の会社に出入りしましたが、別の業界で、すぐに激高する会社幹部も結構見て来ました。

建設コンサルタント業界は、パワハラ的な人が少ないので逆に目立ってしまいます。

パワハラ的な人を見ていると、本人はパワハラしている意識が希薄です。
日本のスポーツ等のコーチも見ていても、よく言えば叱咤激励、はたからみれば激高して罵倒しているようにしかみえない場合も多いですが、そうした社会でずっと暮らして来たような人は、何かあれば、大声を出して激高するのが普通の感情表現になっていて、自分で相手を威圧しているとは思っていないのです。

こういう威圧的な行為の耐性は、個人差が大きく、耐えられない人も多いです。

例えば、上司に罵倒されて、会社に来なくなって辞めたというケースで考えてみると、こうやって辞めた人は、会社に強い恨みを持ちます。
ご本人は心に深い傷を負ったのですから、当然と言えば当然です。
そして、積極的に悪い噂を流す人もいます。

 パワハラ的な人は、上司には「忠実」、同僚には「気のいい奴」で、部下に対してだけ「暴君」になるので、会社側はあまり深刻にこの問題を捉えていないケースが多いですが、会社経営にとって深刻な損害になっている可能性があります。

 会社経営者は、本気でこうした問題に取り組んでいただければと思います。

 転職をご検討中の建設コンサルタントの技術者の方は、断片的な情報に惑わされずに、自分のキャリアを決めて、キャリアプランに合った会社を選んでください
その際は、当社にも、お気軽にご相談ください。

こちらの記事も参考にどうぞ。「建設コンサルタント従事者は今後激減していく」(弊社別サイトへ移ります)

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