あなたの会社には採用ストッパーはいませんか?

人材紹介をやっていると、誰を紹介しても不採用となる会社があります。
また、積極的に人材採用していた会社が、ある時から突然、採用しなくなったりします。
しかし、その会社の技術部長からは、しきりに人材紹介の依頼が、私のところに直接きます。技術部長は、「とにかく人材が足りない 積極的に採用します」と言うのですが、実際に総務を通じて紹介すると、なしのつぶてです。

 どういう状況かというと、採用過程のどこかに採用ストッパーがいる場合が多いです。

 採用ストッパーの多い会社に共通するのは、「決定までの段階の多さ」です。

 採用担当部に行くまでに、例えば、総務の担当→総務部長→担当部長→採用部内検討みたいな感じの流れで、まるっきり伝言ゲームですが、この過程に誰かストッパーがいると、誰を紹介してもだめになったりします。

 営業マンが主人公のドラマで、会社に食い込むために総務のおばちゃんに、毎回お土産を届けてご機嫌をとったり、気難しい部長の趣味を調べて接待して、取引してもらうような話があります。

 こういう話があるということは、逆に「気にくわない」など個人的な理由で、取引を拒否したり無視する人もいるということです。
当社などは、技術部の部長などと直接連絡があり、やり取りすることも多いのですが、これが総務部の窓口の人を怒らせてしまったりします。
 はっきり言って公私混同している人が多いです。自分の職務地位を利用して威張ったり、妨害する人もこれまで経験しています。

 建設コンサルタントなど技術サービス分野は、人材確保が最重要課題といっても過言ではないでしょう。
 そうした、会社の経営課題を理解せず、「あそこの業者が気に入らない」とか「紹介料が惜しい」、などの理由で、紹介した人材情報を、採用部署に回さない人がいます。
 また、「この人は必要ない」と勝手な判断で採用部署に回さず却下してしまうケースもあります。

 もし、この記事をご覧になっている経営陣の人で、このような行為により会社が大きな機会損失が生じていると知ったらどのように感じるでしょうか?

 さて、無事に採用部署で検討が始まったとします。

 するとここにも、採用ストッパーがいます。
 部内で、採用を強行に反対する人がでてきます。

 反対する理由ですが、いくつかパターンがあります。
「転職する人はロクな人がいない」と信じている人も多いです。中途採用の少ない大企業では、そのような考えを持つ人も多くいます。

 また、「要求レベルが高すぎる人」です。平均的相場の年収等の条件では、平均的な人材しか採用できません。それで、十分に貢献していただけるレベルであっても、納得しない人がいます。
 大企業は、紹介料負担が配属部署負担の会社があり、こういう場合も「紹介料が惜しいから」といって反対します。

 また、本当の反対する理由が、「将来自分にとっての脅威になるから」というケースもあります。
 技術士で、実績が多い人は警戒されます。

 部署で採用を決めても、決済で社長までに上がっていく中で反対されるケースもあります。役員面談等で不採用になることも稀にあります。
 ちょっとした受け答えが気に入らないなどで不採用になったケースもあります。

以上の採用ストッパー事例を挙げて来ましたが、「大企業に多い傾向」があります。

人材紹介業者としては、こういう会社は、人材を紹介したくても紹介できなくなってしまいます。
採用部署から「是非紹介して下さい」と依頼されて、せっかく、紹介しても総務の担当者が無視し担当部に回さず勝手に却下していたとか、紹介から何か月もかかって最後に不採用みたいなことが続くと、求職者に迷惑がかかってしまいます。
こういう社風の会社だと判断せざる得ない状況になります。

 現在の、建設コンサルタント業界は高齢化が急激に促進している状況で、当面、この状況が改善されることはありません。
 一方、建設コンサルタント市場が今後、縮小する可能性は、あまり考えられないのですから、これからは人材を揃えた会社が勝ち残ります。

ほとんどの会社は、じわじわと高齢化が進行していますが、社員数の多い大企業は、あまり危機感がなく、大企業意識が末端まで浸透して敷居は高く、「うちは大丈夫」と思っている場合が多いと思います。
採用ストッパーによる機会損失を甘く見ていると10年20年というスパンでは取り返しのつかない損失を受けることになります。

 現在でも、急成長している会社は、間違いなくトップダウンで積極的に人材採用しています。実際、そういう会社と多数取引しているのですから間違いありません。

こうした採用の機会損失をなくすためには、中途採用戦略を明確にする必要があります。

【中途採用戦略のポイントとして】
  • 会社としての中途採用基準を明確にすること
    採用する人材レベルと年収の基準を決めることで、要求レベルの個人差をなるべく排除します。
  • 人材獲得費を予算化してあらかじめ確保しておく
     紹介料は安い金額ではありませんが、投資としては数か月で回収できるくらい投資効率が高いものです。しかし、採用戦略も理解せず、投資的支出と費用的支出の区別もつかない人が、個人の金銭価格で「高い、もったいない」決めつけて、採用却下する行為を防ぐ必要があります。
  • 担当窓口は、採用戦略を理解している人がなる
     人材を紹介したり、問い合わせをしたときに、採用戦略も理解せず、何も答えられない人が担当すると、まるっきり伝言ゲームになって、伝わっているのか、いつ回答が貰えるのかも分からない状況になります。
     また、末端の人でも無駄に敷居が高く、無視したりする人も多いものです。
     どの会社も欲しがる人材は、その段階で、他の会社に流れてしまいます。
  • 採用過程や決済を多元化しない
     採用可否を判断するまでに、多くの人を経由したり、多くの決済が必要であると、採用ストッパーが暗躍してしまいます。また、とにかく時間だけ浪費している間に他社に流れてしまいます。

 採用手続きも、採用の決断も、なるべく一元化した採用担当役員等が決める仕組みを作ることが重要になります。

 以上、人材獲得を望む建設コンサルタント経営陣の方の参考になれば幸いです。


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