日本の解雇規制緩和の議論について
最近、転職や独立など、人材の流動性を高めるための政策が、しきりに実施されるようになりました。
その中で、最近、ついに出て来た話が「解雇規制緩和論」です。
年功序列、終身雇用が日本社会の核心でもあり、猛烈な反発も予想されますし、いろいろな議論が盛り上がることが予測されます。
現状、企業経営者(ある程度大きな会社の)は、日本では正社員の解雇は、ほぼ不可能だと思っています。
2011年の内閣府の調査で、465万人の社内失業者が存在すると推定されていることからも企業経営者は、多くの「組織に必要ない人材」を解雇できず、社内で養っている認識を持っています。
企業経営の大きな負担と感じているはずです。
現状、経営側が解雇できるケースは、いくら厳重注意しても、無断欠勤等の重大な就業規則違反を繰り返す場合くらいです。
毎日、定時に出社して、仕事をしているフリをしている人はクビにできません。
昔から言われる「遅れず、休まず、働かず」というやつです。
ちなみに、公務員の場合、そこに「親方日の丸」が付きます。
平均離職率は民間の10分の一、皆が憧れるユートピア?です(笑)。
こうした組織が、どうしても特定の人物を解雇したい場合は、みんなで嫌がらせを繰り返して自主退職に追い込むことが行われています。現代の村八分ですね。
一方、日本の解雇規制は、国際的に見てかなり緩い方で、現状でも「日本は解雇しやすい国だ」と主張する人もいます。
「解雇規制 国際比較」等で検索してみれば、たくさんデータが出てきますが、日本より、フランス、ドイツの方が解雇規制がずっと厳しいそうです。
意外にも韓国の方が、日本より解雇規制が厳しいみたいです。
解雇規制緩和反対派にしてみれば、世界一 簡単に解雇できるアメリカみたいな社会にするな「解雇規制緩和、絶対反対!」といったよい指標になるでしょう。
まあ、こういうデータ作っている側も、お役人側ですから、どこまで信ぴょう性があるのか疑問に思わなくもないです。
※欧米のワーカーと、日本の大企業のホワイトカラーを、同列に比較するのに疑問を感じます。
生涯平均転職回数を見てみると、アメリカは11回、ドイツで3.8回くらいらしいですが、日本は、平均1回くらいです。
公務員や大企業の定年退職者でみれば、転職回数ゼロが9割以上の組織がほとんどだと思います。
この数値から「日本の解雇規制が厳しいのか緩いのか」実態の部分が、大体の判断できますね。
また、正社員を解雇できないのは公務員や大企業だけで、中小企業、オーナー企業や外資は、従業員をバンバン解雇している。と主張する人もいます。
実際、中小企業は、どんどん人が入れ替わりますし、ブラック企業のワンマン社長が、気に入らない社員を「お前はクビだ!」とやっているケースは、多々ありそうです。
でも、同じ日本国内で、同じ法律が適用されているのに、正社員を「解雇できない世界」と「バンバン解雇している世界」が存在しているのは、法治国家なのに不思議な感じがしませんか?
パラレルワールドでも存在しているのでしょうか?
そこで、解雇規制に関する「不思議の国 日本」の謎を考察してみたいと思います。
日本の雇用契約の不思議
日本企業では、新卒(正社員)入社時に、雇用契約を会社と結びます。その後、毎年昇給もしますし、辞令が出て昇進や異動もしてキャリアを積んでいきます。
でも、昇進や昇給、異動の度に雇用契約を再契約することありませんよね?
だから、年数と共に、雇用契約内容と就労実態は、大きく乖離していきます。
日本の雇用契約書は、本質的には「正社員として雇用します」という意味しかありません。
職務内容と、その立場、責任、権限、目標とそれに対する報酬等については、契約上は何も定義されていない状況で働いていることになります。
つまり、何の法的根拠もなく君は優秀とかダメとか上司に評価されているわけです。
端的に言えば、日本のサラリーマンは、正社員(メンバーシップ)にしてくれた「ご恩」に対し、会社に「ご奉公」する封建時代的な労働観念で働いています。
「俺たちは仲間」、「愛社精神」、「一所懸命」頑張ろうみたいな感じです。
日本の大企業が正社員を解雇できない理由
日本的組織、役所や大企業においては、働かない正社員を解雇できない理由を解説します。
①不当解雇になってしまう(客観的に能力不足を証明ができない)
成績不良や働かないことを理由に従業員を解雇する場合、「客観的、合理的理由」が必要とされています。
しかし、企業と各人との間で、職務内容と権限・責任・目標と報酬等を定義し合意された契約関係がありません。
結果として、能力不足を客観的に証明することは大変困難です。
また、大きな組織は労働組合があり、従業員の味方になってくれます。
そのため、裁判になった場合、判例的には不当解雇になり企業側が、ほぼ負けている実態があります。
仮に極端に成績数値が低くても「割に合わない仕事を押し付けられ」「正しい機会が与えられなかった」と主張されたら、どうしようもありません。
だから、実質的に「遅れず、休まず、働かず」の人を解雇できません。
しかも、降格や減給すら難しく、そういう人も定期昇給もすれば、昇進していきます。
そのため、大企業や役所など日本的組織は、会社の上から下までそうした人達の村社会になっていると言えるでしょう。
実際、会社への貢献意欲を持つ人は、日本が世界最低レベルで、労働生産性はアメリカの半分程度しかありません。
②部下を守らないと出世できないから
学校でイジメによる事件が起こると、校長や教育委員会は、決まって事実を隠蔽したり否定しますよね?
なぜ教育者である彼らが「隠蔽に走る」のか? その答えは簡単です。
もし校長が「素直に謝りを認め 謝罪し」、「責任者を処罰する」という対処をしても、今度は「非を認めた!」とさらに糾弾する人が必ず出てきます。
さらに、部下である教師達から「あの校長は教師を守らない」と不評になります。
すると、その校長は組織の中で孤立していまいます。いずれ些細な落ち度を、大げさに騒がれて失脚してしまうでしょう。
つまり校長にとって「素直に非を認める」ことに何の利益もなく、教育界という村社会で生きていくためには、嘘をついてでも身内をひたすら守る「否定と隠蔽」という手段しか取れないのです。
医療事故や行政の不祥事の隠蔽も、同じ原理です。
※大組織が、決して間違いを認めない現象は「無謬性の原則」と呼ばれます。
逆に、校長が「隠蔽」すると世間から非難されても、組織内では「身を挺して部下を守ったヒーロー」になれて、出世もできます。
不祥事ですら解雇できないなら、当然、「無能な部下」を解雇できるわけありません。
これは、部下への恩情ではなく、100%自己保身のためです。
皆さん、安易に会社のリストラ担当にならないように気を付けましょう(笑)
③自分は損しないから
大企業は巨大な組織を持ち、大きなオフィスビル内の細分化された部署で働いていると、大船に乗った感じで、コスト感覚が薄れてしまいます。
社内失業者的な人が存在しても、他の社員が、その分を自分が損している感覚がありません。
逆に「あの人がクビにならないなら、俺も大丈夫」と、安心材料になっているケースもあります。
さらに、大企業においては、企業の所有(株主)と経営が分離されている上に、日本的組織は、経営陣のほとんどが年功序列で出世してきた来た人達です。
大体が1~2期、役員をやって、その後、関連企業に天下ります。
そうやって順番に引き継いで来たのです。
大企業の経営層にしてみれば、不要人材を抱え続けても、損失を負うのは株主であって、経営者自身は、クビにならず大して損はありません。
もし、余剰人員を整理し利益が増えても、得をするのは株主で、経営層の報酬が数千万増えることもない上に、長年苦楽をともにした同僚から恨まれ人間関係を喪失してしまい、経営者にとっては損でしかありません。
だから、大企業がリストラするのは企業の存続が本当に危うい場合や、外資の「物言う株主」に解任されそうな場合に限り、その場合も退職金を数千万円上乗せし、大盤振る舞いをするのが普通です。
バンバン解雇する中小企業があるわけ
①不当解雇の訴訟がほぼ起こらない
もし、中小企業でも、不当解雇の訴訟を起こせば解雇された側が勝てると思います。
しかし、実際に訴訟が起こることはまずないので、一部の中小ブラック企業では、バンバン解雇が行われるのです。
訴訟が起こらない理由ですが、まず、中小企業は人材の流動性が高く、「やばい会社だったらすぐ逃げる」的感覚を多くの人が持っています。
また、訴訟を考えた場合、多くの中小企業には労働組合がなく、法的な知識や訴訟費用を支援してくれる人が社内に存在しません。
仮に、自腹で訴訟を起こし勝訴して復職できても、その後、無茶苦茶な業務命令をされたり「社内いじめ」の対象となってしまいます。
つまり、訴訟のハードルが高い上に、訴訟に勝っても旨味がないので、解雇されたら、さっさと次の就職先を探すことが、中小企業で働く人の合理的選択となっています。
②利害に敏感
中小企業の多くは、オーナー兼社長で、所有と経営が一致しています。
そのため、社長は「企業の損失 = 自分の損失」となり、無駄にはとても敏感です。
中小企業で働く人達も、小さな組織のため、仕事をさぼっている人や、使えない人を見ると、その分「自分が損している」気持ちを持ちます。
さぼっている人が、自分達と同じ給与を貰うことに、激しい怒りを感じます。
そのため、使えない人材を解雇することに、組織内全体に心理的な抵抗感が希薄です。
外資企業がバンバン解雇できる理由
外資企業において能力不足の社員を解雇できる理由は、前記の中小企業で解雇できる理由に共通点が多いです。
組織構成員が利害に敏感ですし、そもそも外資に入社する人で、年功序列で終身雇用を期待している人は皆無で、自らが「俺達は完全実力主義」、「ぬるい日本企業とは違う」的な自慢をしている人も多いです。
そんな中で、解雇されて「不当解雇!」と訴える人は少ないと思います。
日本の中小企業と違う点は、外資は常に訴訟を想定している点にあります。
能力不足で解雇する場合は「客観的、合理的理由」がないと不当解雇とされてしまいます。
だから解雇の「客観的、合理的理由」となる法的根拠を準備しているはずです。
つまり、職務内容、権限と責任、ノルマと報酬の関係、解雇の基準等が明確化され、双方の合意署名した文章が存在すると思います。
具体的には、雇用契約書や労働条件通知書などに、併せて職務記述書的(ジョブスクリプション)なものが付随しており、毎年、契約書を交わしていると思います。
また、就業規則に、能力不足による解雇規則が明記されていると推測します。
法的根拠さえ準備できれば、能力に劣る人材を解雇できるなら、「日本の解雇規制は現状でも緩い」という主張も、あながち間違いではないとも言えます。
解雇規制緩和の方法論について
日本において、働かない社員を「解雇できない世界」と「バンバン解雇する世界」が両立する最大の理由は、日本が契約・訴訟社会でなく、口約束とお互いの信頼で動いている社会であることにあります。
この法的曖昧さのため、社内の非公式組織が会社を支配し「解雇できない世界(役所や大企業)」と、訴訟にならないのをよいことに「バンバン解雇する世界(中小企業)」が、両立しているのです。
江戸時代的な村社会というか、この曖昧な集団主義を、美徳と考える人も多いですが、社会がこれだけ衰退してくると、さすがに、変わらなきゃいけないというのが、解雇規制緩和論であると思います。
現在、議論されている解雇規制緩和の方法論について考察してみます。
①金銭解雇制度について
最近、解雇規制緩和の方法論として、出てきているのが金銭解雇の制度です。
つまり、金銭で補償すれば解雇できる制度です。
アメリカの場合、自由意思雇用(at will employment)と言われ、就業規則に明記されている場合、即日解雇もありのようで、金銭補償は必要ないみたいです(州により異なる)。
ドイツの場合、金銭解雇(不当解雇の賠償金計算法)は、勤続1年あたり月給の0.5か月と設定されていて、上限は、月給12~18か月くらいの額のようです。
※これらは、不正告発や人種等を理由に解雇された場合は無効です。
ちなみに日本のような退職金制度は存在しません。
現状、日本の大企業では、50代の早期退職希望者に、退職金(数千万)にプラスして上乗せ数千万を支払いますので、併せて年収の4,5年分くらいになるケースもあり、どれだけ「大盤振る舞い」しているか分かります。
現状のやり方の一番の問題は、早期退職者を特定できない点で、社内で早期退職募集が始まると、外の世界で通用する優秀な人ほど早期退職してしまいます。
すぐに再就職先が見つかる人は、早期退職金(数千万)が丸儲けです。
逆に、外の世界で通用しない人ほど、会社にしがみつくので、会社は、さらにダメダメになります。
仮に日本で、ドイツと同じよう金銭解雇制度が導入されれば、「不要人員」を狙い撃ちできるので、大企業ではリストラが進む可能性があります。
また、これまでバンバン解雇してきたブラック企業が、そのやり方を続けたら、消費者金融機関への「過払い金請求」みたいな訴訟ラッシュになり、淘汰されるでしょう。
さらに、その内、解雇補償金 狙いで、わざと解雇されるように振舞う社員が出現し労働モラルが低下してしまう可能性もあります。
そうなると各企業は、退職金制度と金銭解雇留保を同一化して、退職理由(自主or解雇)に関係なく、「勤続年数×月給0.5か月」を退職金として支払うような対応を取るのではないかと思います。
結果として、アメリカ的な自由意思雇用にプラスして、退職金(退職理由に関わらず)が貰える社会になり人材の流動性は、一気に高まると思います。
制度的にはシンプルになり、中小の格差がなくなることで公平性が増し、また、退職理由に関係なく退職金が貰えるなら、皆が、より挑戦しやすい社会になり、経済活動も活発化すると思います。
※実現は難しそうですが
②日本的ジョブ型雇用について
ジョブ型雇用と日本的(メンバーシップ型)雇用の考え方は以下のものです。
ジョブ型雇用
経営目標 → 実現のための組織設計 → ポストと職務が設定 → 人材を採用
日本的雇用(メンバーシップ型)
正社員(年功序列、終身雇用)→ ポスト設定 → 組織設計 → 経営目標
ジョブ型組織は、すべてが「経営目標の実現」を指向されており、雇用契約は、ジョブ(職務)が明確に設定され、そのジョブが無くなれば解雇ですし、基本的に、異動も昇進も定期昇給もありません。
社内で新たなポストに移る場合は、新たな雇用契約を結びます。
日本的メンバーシップ型雇用は、正社員の「年功序列と終身雇用」を維持することを目標として、組織設計され、最後に経営目標が設定されます。
そのため社内は、「部下なし管理職」だらけになり、無駄だらけの組織維持コストを根拠に、経営目標数値(売上や利益)が設定されることが普通です。
このように、ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用は、すべてが正反対なものです。
最近、「日本的ジョブ型雇用」という言葉が出回っていますが、まるで正反対なもの二つを一つに合わせた言葉に「強烈な違和感」を感じてしまいます。
よく聞かれる取り組みは、「各個人に職務記述書を作る」、「強制的な異動・転勤を廃止する」、「異動は、公募で社内転職」という感じです。
それらは実態として、昔からある「目標管理制度」とか「見える化」といったものと同等のもので、年功序列、終身雇用の根本は変わらないと思います。
正社員を「メンバーシップ型社員」と「ジョブ型社員」に分けるというアイデアもあります。
その場合、既存の中高年はメンバーシップ型で「年功序列と終身雇用」を維持し、若手と中途採用者はジョブ型で「昇進も昇給もなし」という、メンバーシップ型組織を支えるための「新たな下層カースト」の誕生といった感じになると予想します。
いずれにしても、日本企業が自力で、外資並みのジョブ型雇用に転換できるところは、レアだと思います。
③雇用契約の更新義務化
日本の労働問題の根本原因が、多くの日本企業において、入社時に結んだ雇用契約が更新されることがなく、就労実態と契約内容に乖離が生じたまま働いていることにあると思います。
雇用者・被雇用の関係において、契約上曖昧な状態にあると、雇用側が情報量も多く、お金を払う立場であるため強く、被雇用者は常に弱者側になります。
大企業でも解雇されなくとも、業務命令でいくらでも嫌がらせは可能です。
現状の、「雇用契約と就労実態の乖離」に対して、厚生労働省では、昇進や異動等、労働条件に大きな変化がある場合、辞令にプラスし「労働条件通知書」を発行することを推奨しています。
書面化してあるだけましですが、雇用側からの一方的な「通知書」に過ぎません。
やはり法的な公平性を考えると、雇用者・被雇用者の合意文書である雇用契約書を、職位、職務、勤務地、報酬金額等が変化した場合、再締結するのが筋だと思います。
しっかり「契約に基づいて仕事をする」という当たり前のところを法的に義務化するのが、まず、第一前提だと思います。
具体的な運用としては、労働条件通知書を廃止し、雇用(労働)契約書として統合し、細かい職務や報酬まで契約上に盛り込むか、職務記述書を添付し、労働条件に変化があった場合に更新を義務化することが考えられます。
更新頻度ですが、日本企業では、昇進や異動をしなくても定期昇給(報酬アップ)をしますので、雇用契約内容と実態に乖離を生じさせないためには、雇用契約書を毎年更新することを義務化する必要があるでしょう。
しかし、このアイデアは、雇用側より、被雇用側の反発が大きいと思います。
なぜなら、職務と地位や権限、報酬等が雇用契約上に明確化されると、前記の「外資系企業でバンバン解雇できる理由」に繋がるからです。
つまり、「遅れず、休まず、働かず」な人達を解雇するための「客観的、合理的」な法的根拠になり得る可能性があります。
本来、契約上の明確化を義務付けることは、弱者保護に繋がるはずで、解雇規制緩和策とならないはずです。
しかし、現状、職務と報酬等の法的根拠が曖昧な状態で働いていることが、大企業、役所において解雇できない最大の要因となっている点は、「まともな資本主義国家なのか?」何とも情けない話ではあります。
仮に、雇用契約の毎年更新が義務化されたら、辞令一枚で異動の、嫌がらせと泣き寝入りは減少すると思います。
しかし、毎年の更新時期は、緊張感が出てくるでしょう。契約だから、当然、合意できないケースもあります。その場合、契約不成立で、自動的に自主退職の意思表示となるでしょう。
今より、厳しい面もありますが、日本のサラリーマンがプロ集団になるためには、「契約に基づいて働く」当たり前のことを、まず実現する必要があると思います。
おわりに
中小企業はどこも「バンバン解雇している」と誤解する人がいるかもしれませんので、補足しますが、バンバン解雇しているのは、ごく一部のブラック企業です。
中小企業でも、大手資本の系列、関連企業は、就業規則は親会社に準じており、経営と所有(資本)も分離しており、経営層は親会社OBです。
こうしたところは、ほぼ大企業同等の年功序列で終身雇用です。
また、バンバン解雇しても、代わりの人材が採用できなけば会社はつぶれてしまいます。
「バンバン解雇するには、バンバン人材採用できる前提」が必要です。
そのため、一般的には、従事者に特別なスキルや資格が必要な産業においては、中小企業においても人材を大切にする傾向が強いです。
建設コンサルタント業界においては、地方零細でも滅多に、バンバン解雇している会社はありません。
逆に、バンバン解雇している会社にありがちなパターンは、オーナー社長のワンマン企業で、特別なスキルが必要とされない仕事で、給与は周囲の会社より高く、常にハローワークや、就職情報誌等で求人している会社です。
この場合、入社希望者が次々に来るので、バンバン解雇もするケースがあります。
個人レベルのリスク対策としては、自分の人材価値を上げて、報酬以上の貢献をしっかりできる人材になる。それを証明できる資格や実績を蓄積する等の、プロ人材として当たり前のことをやっていけばよいだけです。
将来の、解雇規制を考えると、今より人材の流動性が高くなる方向に進むことは確実です。
解雇が容易になるということは、逆を言えば、中途採用のハードルも下がります。
人生のやり直しが利く社会になるということでもあり、能力向上へのモチベーションもアップし、社会がより良い方向に進むと思います。
あまり、不安にならず、自分のやりたいことに挑戦しましょう。
ご参考になれば幸いです。