技術士もRCCMを取得しておいた方が建設コンサルタントの転職に有利

既に技術士を取得している人は、RCCMを取得する必要性を感じていないかもしれません。
しかし、既に技術士を取得されている人もRCCMを取得しておいた方が建設コンサルタントの転職において有利になるケースが多いです。

理由は、転職市場においては、技術者の経験の深さともに、対応できる幅も重要になってくるからです。

 ただ、RCCMの取得の仕方に注意が必要です。
例えば技術士(建設部門 道路)の人が、RCCMの「鋼構造コンクリート」や、「土基礎」、「建設環境」、「都市計画」等を取得していると評価が上がります。
技術士(道路)の人が、RCCM(道路)を取得しても専門分野が重複しており評価は上がりません。

 専門分野で考えると、「道路」や「河川」というのは、基礎的なインフラで、その基礎的インフラに伴う、専門が「鋼構造コンクリート」や、「土基礎」、「トンネル」や「建設環境」などとなります。
 大きくは、「道路系」「河川系」などの基礎的なインフラと、それに関する専門を技術士の専門分野と、RCCM等で網羅するようにしておくことを勧めます。
 道路のことなら大体分かる。あるいは、河川のことなら大体分かるという人は、転職にとても有利になります。

 ある程度の規模の会社になると専門分野が細分化されてきます。そのような場合でも、専門分野の技術の深さと共に、技術的に対応できる範囲、幅の拡大を意識してキャリアを積んでいくことが望ましいです。
 例えば、道路設計などは、大きな業務では、道路担当と構造や基礎担当でチームを組むことが多いですが、その場合、せっかくチームで業務をやって、打ち合わせもいっしょにいくのですから、お互いの技術分野を理解して協力していく、そういう意識を持つことが重要です。
 そうすれば、業務もより上手く進み、顧客の評判も上がり、利益も大きくなります。
 さらに、対応力・知識の幅も広がるのだからよいことずくめです。

 また、自分の専門外の仕事でも、積極的にチャレンジしていくことが重要です。

 そうやって、技術の幅を広めながら、その証明であるRCCMを取得していくことが、将来に転職等でより有利に働いていきます。

実際に、技術士「鋼構造コンクリート」、RCCM(道路、都市計画、建設環境)などを取得している人(60代)を、エンジニアリング企業に、ご紹介した事例では、開発許可から、造成、工事・管理道路設計、基礎構造等の計画、設計が分かる人がおらず、大変重宝されてよい待遇を得られている事例があります。
製品技術、あるいはゼネコン出身者等の施工経験者はいるけれど、計画設計段階に幅広く対応できる人は希少とのことでした。

 このような業務は、建設コンサルタント出身者でも、専門特化だけの人には不可能だったと思います。
建設コンサルタントの方々は、技術の深さだけでなく、いろいろ対応範囲の幅を広げることにも留意していくとよいと思います。

 ご相談あれば、お待ちしております。

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